相続登記の義務化について
2023年11月16日 13:19
相続登記義務化とは
相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に、相続登記の申請をしなければならないとする制度です。
これまで、相続登記は任意となっており、相続登記をしないまま、不動産の名義が故人のままになっているケースが少なくありませんでした。このため、不動産の取引の際にトラブルが発生したり、所有者不明土地が増加したりするなどの問題が生じていました。
相続登記義務化は、これらの問題を解決するために導入された制度です。
相続登記を義務化することで、不動産の所有権関係を明確化し、不動産の取引の安全性や円滑化を図ることが目的です。
相続登記義務化の理由
不動産の取引の安全性・円滑化の確保
相続登記をしていない不動産は、所有権関係が不明確であるため、不動産の取引においてトラブルが発生するリスクがあります。
相続登記を義務化することで、不動産の所有権関係を明確化し、不動産の取引の安全性・円滑化を図ることができます。
所有者不明土地の解消
相続登記をしていない不動産は、所有者不明土地となる可能性があります。
所有者不明土地は、不動産の利用や管理が困難になるだけでなく、災害時の救助活動の妨げになるなど、社会問題となっています。相続登記を義務化することで、所有者不明土地の解消につなげることができます。
相続登記義務化の内容
対象
相続登記義務化の対象となるのは、以下のとおりです。
* 相続によって不動産を取得した相続人
* 遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人
期限
相続登記の申請期限は、相続により不動産を取得した日から3年です。
遺産分割協議の成立により不動産を取得した場合は、遺産分割協議が成立した日から3年です。
ペナルティ
相続登記義務化に違反した場合、10万円以下の過料が科されることがあります。
相続登記義務化は、2024年4月1日から施行されます。2024年4月1日より前に相続が開始している場合も、3年間の猶予期間がありますが、義務化の対象となります。
ただ、早期に遺産分割が難しいという場合には、今回新たに作られた「相続人申告登記」という簡便な手続を法務局にとって、義務化を果たすこともできます。
戸籍などを提出して、自分が相続人であることを申告する、簡易な手続きです。
相続登記義務化を正しく理解し、期限までに相続登記を済ませることが大切です。
(takahashi yusei)